『Magic Bone UE5 Rig Creator』という有料プラグインを使用して、DAZ StudioのフィギュアをUnreal Engine 5で使用します。
これを使うことでDAZ StudioのフィギュアのスケルトンとしてSK Mannequinが使えます。
使いやすさが飛躍的に向上しますし、DAZ Studioのフィギュアをプレイヤーキャラクターにして、ゲーム内でのDAZ Studioの衣装の着せ替えシステムもやりやすいです。
DAZ Studioのフィギュアと衣装がUnreal Engine 5でフル活用できます。
『Magic Bone UE5 Rig Creator』の機能は公式のYoutubeチャンネルで紹介されています。
Magic Bone Tools | Youtube
全体の流れは、
DAZ StudioからDaz to Blender Bridgeを使ってBlender 4.0にフィギュアを移行。
Blender 4.0でMagic Bone UE5 Rig Creatorを使用。
Blender 4.0でFBXファイルとして保存。
Unreal Engine 5.3でFBXファイルをインポート。
準備
Magic Bone UE5 Rig Creatorの購入
Magic Bone UE5 Rig CreatorはArtStationで販売しています。
Indie License($89)とStudio License($129)があり、個人で使う場合はIndie Licenseで構いません。
Magic Bone UE5 Rig Creator | ArtStation
継続的にアップデートされており、価格以上の価値を感じています。
購入してダウンロードするとMB UE5 Rig Creator Pro v*-*-*.zipが入手できます。zipのままBlenderにインストールしますから解凍する必要はありません。
今回はMB UE5 Rig Creator Pro v3.0.3を使用しました。
DAZ StudioでDaz to Blender Bridgeをインストール
PC
DAZ StudioにDaz to Blender Bridgeをインストールしてください。
DAZ Studio
DAZ Studioを起動し、Daz to Blender BridgeをBlenderにインストールするための準備もします。
上メニューのFile → Send To → Daz to Blenderを選択。Daz to Blender Bridgeのウィンドウが開きます。
Advanced Settingsにチェックを入れて、Blender Plugin InstallerでBlenderのバージョンを指定。例えばBlender 3.6を指定して、その右のInstall PluginをクリックするとBlender側にプラグインフォルダがコピーされます。
こうすることで、Blender側でもプラグインの有効化ができるようになるわけです。
しかし、私はBlender 3.6でエラーが出たため、Blender 4.0を使用しています。
Blender 4.0にプラグインを導入するには、Custom Addon Pathを指定してその右のInstall Pluginをクリック。
フォルダ選択ウィンドウが開きますので、
C:\Users\ユーザ名\AppData\Roaming\Blender Foundation\Blender\4.0\scripts\addons
を指定します。
そうすると、addonsフォルダにDTBというフォルダがコピーされます。
ちなみにこれらのフォルダをWindowsのエクスプローラーで探す時は、%appdata%で検索するとAppDataフォルダが見つかります。そこから追えば見つけやすいです。
Blenderでアドオンのインストール→有効化
Blenderでも
『Daz to Blender Bridge』を有効化、
『Magic Bone UE5 Rig Creator Pro』をインストール→有効化する必要があります。
Blenderを起動します。
Daz to Blender Bridge
DAZ Studioでプラグインの準備を完了していれば、有効化のみで使えるようになります。
上メニューの編集 → プリファレンス → アドオンを選択。
検索欄にdazと入力し、リストに表示された「インポート/エクスポート:DzToBlender」にチェックを入れて有効化。
MB UE5 Rig Creator Pro v*-*-*.zip
まずはMB UE5 Rig Creator Pro v*-*-*.zipをインストールする必要があります。
Blenderの上メニューから編集 → プリファレンス → アドオン → インストールでDTB_V***-***.zipを指定。
続いて有効化。
上メニューの編集 → プリファレンス → アドオンを選択。
検索欄にue5と入力し、リストに表示された「汎用:Magic Bone UE5 Rig Creator Pro」にチェックを入れて有効化。
これで準備は完了です。
フィギュア移行の手順
Magic Bone UE5 Rig Creatorの公式Youtubeチャンネルが解説動画をアップしていますので、それを見ておくと良いでしょう。
DAZ Studio
衣装のフィット
衣装をフィットさせるコツ。
DAZ Studio内では問題ないように見えても、UE5で動かすと衣装の貫通(破れ)が発生しやすいです。
1.Push Modifier
服を厚くします。当然ながら服が大きくなるわけでもありますが、貫通(破れ)の防止として効果は大きいです。
服を選択した状態で上メニューのEdit > Object > Geometry > Add Push Modifierを選択。
Push Modifierの名前を入力して追加。名前は「Push Modifier」のままで問題ありません。
デフォルト値が1.0のため、不自然なほど服が膨らみます。ParamatersペインのMesh Offset内にPush Modifierのスライダーがあります。0.10~0.30くらいで調整すると良いでしょう。
2.Transfer Utility
フィギュアにBoneを追加させている場合、そのBoneを衣装側にも追加します。
上メニューのEdit > Figure > Transfer Utilityを選択。
・Source Item: Genesis 8.1(9) フィギュア
・Target Item: 服
3.Fit to Mode: Auto Follow Transforms
衣装のParametersペインでFit to ModeをAuto Follow Transformsにする。
劇的な効果は感じません。
4.Smoothing Type: Generic
Smoothing TypeはGenericの方がフィットしやすい気がします。が、重要度は低そうです。そのフィギュアと衣装の相性次第ですかね。
後はそれぞれの服に用意されているParamatersを設定しましょう。
ゲームで動かすとなると、ポイントは1.Push Modifierかと思います。厚いほど貫通しにくいです。
ポーズのリセット
Daz to Blender Bridgeを実行すると自動でポーズがリセットされますが、最初からポーズをリセットしている状態でDaz to Blender Bridgeを実行した方が不具合が少ないです。体全体のScaleに関しても同じ。
Daz to Blender BridgeでAcceptをクリックした時にフィギュアのポーズが微妙に変わったり、サイズが微妙に変わった時は、移行後にボーンのズレなどの不具合が出やすい。
Daz to Blender Bridge
今回はDaz to Blender Bridgeを使いますが、DAZ Studio → Blenderへの移行の選択肢としては、FBXファイルや外部プラグインのDiffeomorphicもあります。
Sceneペインでフィギュアを選択した状態で上メニューのFile → Send To → Daz to Blenderを選択。Daz to Blender Bridgeのウィンドウが開きます。
Advanced Settingsにチェックを入れて、
FBX Versionは「FBX 2012 — Binary」。
Show FBX Dialogにチェックを入れて「Accept」をクリック。
FBX Export Optionsが開きます。
設定はデフォルトのままで構いません。
・FormatはFBX 2012 — Binary
・Selected Onlyは、Sceneペインで選択しているものだけを転送するかどうか
・Merge Followers (into Target)のチェックは入れておく。Daz to Blender Bridgeの場合、このチェックが入っていないと体と服がズレました
・モーフも移行させるならInclude Morphsのチェックを入れる
「Accept」をクリック。
Errorが出ますが気にしない。
Blender
Daz to Blender Bridgeを有効化していると、ビューポートの右上の小さい「<」をクリックするとアドオンのパネルが開きます。
Daz To Blenderのタブを選択してください。
その中に「Import New Genesis Figure」をクリック。確認があるので2回クリックします。
ビューポートにGenesis Figureが出現すれば成功です。
今回はGenesis 8.1を使用しています。
アドオンのパネルから「MBToolsUE5」タブを開く。
シーンコレクションで何を選択しているかも重要です。
今回はDAZ_FIG_0 > Genesis8_1Femaleを選択しています。デフォルトで選択されていますので、いじってなければ問題なし。
- MBToolsUE5の「Set Armature」をクリック
Genesis8_1FemaleがMB_RFRigにリネームされます。 - Rig typeを選択
今回は「DAZ G 8 bridge」を選択。 - 「Create UE5 Rig」をクリック
少し待つとボーンが追加されます。
私はBlender 3.6だとここでエラーが出ました。Blender 4.0だと問題ナシ。
旧バージョンのMBToolsUE5では、FillやScalingの作業が必要でしたが、最新バージョンではAuto-FillとAuto-Scalingにチェックが入っています。
ちなみに手動でScalingする時の操作は、キーボードのSキーを押しながらマウスを下にドラッグするとフィギュアが大きくなり、左クリックで確定。これを数回繰り返してフィギュアの足を赤い線に乗せます。
FBXファイルとして保存
ビューポート上でクリック&ドラッグしてフィギュアを全選択。
もしくはシーンコレクションで保存したい部分+rootを選択。体だけ保存とか、服だけ保存が可能です。いずれにしてもrootの選択を忘れないように。
上メニューのFile → Export → FBX (.fbx)を選択。
デフォルトと違うところは、
・Selected Objectsにチェックを入れる
・Object TypesはArmatureとMeshのみ選択
・SmoothingはFaceを選択
・Only Deform Bonesにチェックを入れる
・Add Leaf Bonesのチェックを外す
・Bake Animationのチェックを外す
この設定はOperator Presetsの右の「+」で名前をつけて保存でき、「v」で開いて呼び出せます。
1回設定して保存すれば、今後は毎回入力する必要はないです。
ファイル名をつけてExport FBXをクリック。
Unreal Engine 5
コンテンツブラウザで右クリックして/Game/*****へインポートを選択。BlenderでエクスポートしたFBX (.fbx)を選択。
もしくはFBX (.fbx)をドラッグ&ドロップでもOKです。
FBXインポートオプションが開きます。
設定を合わせるためにデフォルトにリセットをクリックしてください。
・メッシュ > Skeletonは「SK_Mannequin」を選択。
・マテリアル > Material Import Methodは「Do Not Create Mterial」にします。マテリアル生成しても真っ白になるので、生成しません。
全てインポートをクリック。
エラーメッセージは気にしない。
キャラクターのメッシュを開く。
スケルトンツリーのギアアイコンをクリックしてリターゲットオプションを表示にチェックを入れる。
・rootで右クリックして移動リターゲティングスケルトンを再帰的に設定を選択。全てSkeletonになります。
・rootからinteractionまでをAnimationに変更。これらを選択した状態で右クリックして移動リターゲティングアニメーションを再帰的に設定を選択すれば変更できます。もしまとめて変更できなかったから個別に変更すればいいだけです。
・その下のpelvisをAnimationScaledに変更。
これで設定完了です。
UE5のボーンに対応していますから、例えばサードパーソンテンプレートであれば、BP_ThirdPersonCharacterのメッシュを変更するだけですぐ動かせます。
問題点
問題点: 手首と指の不具合
アニメーションブループリントのABP_MannyやABP_Quinnをそのまま使うと、手首や指がおかしくなる現象がありました。
IK リターゲッタ(RTG_Mannequin)でアニメーションを上手にリターゲットできれば解決しました。
問題点: マテリアルは反映されない
Daz to Blender Bridge → Blender → UE5の移行の場合、UE5へのインポート時にマテリアルを反映させる方法はないんじゃないかと思います。マテリアルを作成しても真っ白になります。
私はDaz to Unrealで同じフィギュアをUE5に直接インポートして、手動でマテリアルを設定しています。
先にDaz to Unrealでフィギュアを移行し、衣装の破れ等をチェック。その後にDaz→Blender→UE5へと送る。こうすれば一部のマテリアルは自動でセットされます。
FBXファイルや外部プラグインのDiffeomorphicを使った場合はマテリアル&テクスチャが反映されました。しかし、私はMB UE5 Rig Creator Pro v3.0.3 + Blender 4.0で不具合があったので使っていません。
DAZ Studio → FBXファイル → Blenderへと経由すう場合は、FBXファイルの設定が変わってきます。Magic Bone UE5 Rig Creatorの公式Youtubeチャンネルを視聴すると良いでしょう。
コメント
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